
〔1966年/日本/大映〕
酔いどれ名医ギョロ松がふらりと姿を見せたのは、
とある港町。ここでは般若の鉄五郎一家と夜桜の
トラマツ一家が港湾労務者のピンハネをして争い、
円福寺の狸和尚は重要文化財の横流しをして、
警察署長や若い警官を手こずらせていた。
ギョロ松が美人のお吉の店で飲んでいた時、
フグ中毒にかかったイダテンとキンタロー、
ソロを助けたことから町医者オイボレ先生の
医院に住みこむことになる。
ギョロ松による手荒い診察は、治療効果絶大、
大評判となり、医院は大繁昌。お吉と医院の
一人娘の光子は、ギョロ松にすっかり惚れ込んでしまい、
何かと張りあうのだった。
一方のギョロ松は、二組のヤクザの親分の名声欲を
利用して、医院のスポンサーにしてしまった。
競争意識に燃えた鉄五郎とトラマツ。
その上、診察料を無料にしたものだから、
医院はさらに大繁昌!
だが人々の人気はギョロ松に集まるばかりで、
肝心の親分たちの方といえば、財布の中身が
減るばかり。ギョロ松のカラクリにようやく
気のついた親分たちは、ギョロ松を痛めつけようと
するのだが、逆に海に投げ込まれてしまうのだった。
さすが1966年の作品!
令和では見かけなくなった描写のつるべ打ち!
「酒を口に含んで、吹きかけて消毒!」
「劇中、フグを食べた者は必ず当たる!」
「また、フグに当たった者は土中に埋められる」
勝新は医者だとは名乗らないが、医療の知識は
あるようだ。非常に手荒い治療で人々を救う。
劇中何度か「すごいお医者さんね♡」的な事を
言われるが、「医者じゃねぇよ」と返す。
(この意味は終盤2分で明かされるのだが・・・)
ラストは「裸の大将」をほうふつとさせる。
勝新太郎ありきで作られたような、
勝新キャラにおんぶにだっこな作品。
■本編出演 勝新太郎、高田美和、横山道代、岩崎加根子、
小沢栄太郎、藤岡琢也、丸井太郎、殿山泰司、遠藤辰雄、
杉裕之、多々良純、平泉征、森乃福郎、勝村淳、
南条新太郎、尾上栄五郎、沖時男、近江輝子、毛利郁子、
橘公子、石原須磨男、小林加奈枝、堀川りょう、
土井まゆみさんほか。
評価 ★★★☆☆