2025年04月13日

「天才バカヴォン〜蘇るフランダースの犬〜」2015

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〔2015年/日本/DLE〕




ある日バカボン一家の元に、不審な男達が
次々と現れる。その正体は、暗黒組織・インテリペリ。

彼らは総帥・ダンテが開発した装置「オメガ」を
起動させるための合言葉である
「バカボンのパパの本名」を知りたがっており、
あらゆる方法でパパに近づくが、パパに翻弄される
ばかりで一向に本名を聞き出せない。

そこでダンテは、息子のバカボンからパパの本名を
聞き出すため「フランダースの犬」の主人公、
ネロとパトラッシュを地獄から召喚する。

「フランダースの犬」のラストで天に召されたはずの
ネロとパトラッシュは、天使の手を振りほどき、
悪の手先となって現代によみがえったのだ!




久々に「フランダースの犬」の再放送を見て、
子どもの時分に見た時とは印象が変わってしまった。

昔はネロ目線で見られたものが、今は親、祖父目線で
見てしまう。するとどうだろう。

ネロの周りの大人たちの行動、言動にばかり
目がいってしまう。

アロアの父親、コゼツの旦那はなぜここまで理由もなく、
ネロを毛嫌いするのか。顔を見る度に憎たらしいイヤミの
ひとつも言わないと気が済まないほどゆがんでいる。
子どもに対して・・・。

と思っていたら、原作でのネロの年齢設定が15歳。
それを日本でアニメ化する際に、メイン視聴者の年齢に
合わせて引き下げてしまった。

原作のコゼツは自分の娘にネロが手を出して、間違いが
起きないかと心配でたまらない日々を送っていたのだ。
そんな裏事情を知ると、コゼツの異常なまでの憎悪も
親目線でなんとなくわからないでもない。

テレビではわずか10歳の子どもに対して、執拗に手下
とともにイジメを行うからどうにも不自然なのだ。

結局、テレビシリーズでは村人たちによる、同調圧力の
末に、放火魔の汚名を着せられたまま飼い犬とともに
淋しく息絶えていく・・・。


そんなネロとパトラッスの後日談である。

ちゃんと製作元の許可を得て、同じキャラクターを
使用。一方の「天才バカボン」も権利を獲得した
「ホンモノ」なのである。

ただ、鑑賞前に一抹の不安もあった。
ネロの声をあてるのが冬ドラマ「財閥復讐」において、
その憎々しい演技力で、私の嫌う女優ナンバーワンの
座に輝いた瀧本美織さんだというのだ。・・・うわぁ…。

公式のキャラクターを使って、「地獄から召喚」
とか「悪魔化させて街を破壊」とかはやめてほしい。

それでも原作に敬意をもった作りなら、まだ見られた
ものを「まんま鷹の爪」で全編押し切ってしもうた。

こういうのは自分たちの持ちキャラである、
「秘密結社鷹の爪」だけで留めておくべきである。
もしくはまったく別のキャラクターでやってほしい。
それならまだ割り切って楽しめたものを。

「あくまのプーさん」とか、いくら著作権が切れた
からと言って、子どもたちのアイドルを大人が
おもしろがって闇堕ちさせるんじゃないよ。





■本編出演 FROGMAN、瀧本美織、濱田岳、犬山イヌコ、
岩田光央、金田朋子、上野アサ、澪乃せいら、桃、出雲阿国、
鈴木あきえ、木原浩勝、沼田健、安藤公一、坂本頼光、
バイク川崎バイク、上島竜兵、秋本帆華、村井國夫さんほか。





評価 ★☆☆☆☆
posted on 2025年04月13日 at 12:00 | 映画・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月11日

「ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!」1994

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〔1994年/日本/シンエイ動画〕




宇宙の彼方から飛んできたふしぎなツボから、
ウメ星デンカが飛び出した。故郷のウメ星が
爆発して、地球にやってきたのだ。

太郎の家に住みついた、デンカ一家だったが・・・。




1994年(平成6年)劇場映画、
「ドラえもん のび太と夢幻三剣士」の併映作として
製作された30分の短編「ウメ星デンカ」

1968年(昭和43年)、小学館の週刊少年サンデー誌上に
おいて藤子不二雄先生により漫画連載が開始され、
翌1969年、東京ムービー(スタジオゼロ)が
テレビアニメ化。

時代はすでにカラー化が進んでいながら、白黒で製作
されてしまい、オバQの大ヒットを目指しながらも
わずか半年で終了。そんなデンカが平成の世に帰還。

なぜ?今?と誰もが首をかしげたのだが、
この当時、「クレヨンしんちゃん」の後番組に
この「ウメ星デンカ」を・・・という企画が進んでおり、
その観測衛星的なパイロット版として上映されたという。

ところが終わらせる予定の「クレヨンしんちゃん」の
人気が大爆発してしまい終了予定は立ち消え。
その割をくらってデンカ再アニメ化の話も流れてしまった。

どこまでも不運なウメ星デンカとそのファミリー。

物語の発端からして、デンカたちは不幸。
平和に暮らしていた故郷のウメ星がある日壊滅!
星の住人たちはそれぞれ、命からがらツボ(ロケット)
に乗り込み、あちこちの星に散らばった。

この時点ですでに多くの死傷者が出たものと
推測される。

ようやく地球にたどりついたと思えば、
昨日まで星の王様、王妃、王子だった人物が
おかしなことを口走る、常識のないキチガイ扱いを
受け、下働きを強制される・・・。なんてお気の毒。

それでも根が明るい(深く考えないタイプ)なので、
なんとか地球の人々とうまくやっていこうと決意。

たまに物干しに登って夜空を見上げながら、
あのころはよかった・・・と涙するシーンも
あったりして、泣かせるのであった・・・。

「エスパー魔美」「チンプイ」を経て、
シンエイ動画の脂もノリにのった時期であったので、
テレビシリーズの「ウメ星デンカ」、
ぜひ見てみたかったものだ。

しかし、平成の時代にウメ星はちょっと地味だったか…。
(画像は1960年代、最初のアニメ化時の着ぐるみ。怖い)





■本編出演 山田栄子、松井摩味、中村正、一城みゆ希、
 江原正士、島本須美、緒方賢一、松尾銀三、菅原淳一、
 山口勝平、西原久美子、まるたまり、中村秀利、
 関智一さんほか。




評価 ★★★☆☆
posted on 2024年03月11日 at 12:00 | 映画・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月05日

「帰ってきたドラえもん」1998

帰ってきたドラえもん.jpg
〔1998年/日本/シンエイ動画〕





ジャイアンにいじめられ、ドラえもんに泣きつくのび太。
しかし、ドラえもんは憂鬱そうな顔を見せる。

ドラえもんは未来の世界へ帰ることになったのだ。
のび太は必死に止めるがパパの言葉と、
今は亡きおばあちゃんとの思い出のダルマを経て、
「ダルマと同じように転んでも起き上がる」事を
思い出し、ドラえもんとの別れを受け入れることにする。

その夜、寝付けず2人は夜の町を散歩する。
ドラえもんが離れている間、のび太は同じように
徘徊していたジャイアンと遭遇。

のび太はドラえもんに心配をかけず、未来の国に
送り帰すため無謀にもジャイアンに挑む。

のび太を探すドラえもんの目に映ったのは、
何度倒れてもジャイアンに立ち向かっていく
のび太の姿だった。

ドラえもんはのび太を連れ帰り、眠ったのを
見届けた後、ひとり未来の世界に帰還する・・・。




幾度も映像化されている「さようなら、ドラえもん」と
「帰ってきたドラえもん」を
『ドラえもん のび太の南海大冒険』の併映作として
上映した短編作品。
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「・・・桜が見られてよかった・・・」

もう最初っから泣かせにかかる作劇。

今まで散々世話になった野比家の人々に対して、
未来の世界に帰る理由を明確に説明しないドラ。
(裏では言ってるのかも知れんが)

パパとママも深く詮索することなく、
ただ、のび太がお世話になったと感謝し、
別れの宴を設ける。

藤子作品に登場するパパとママは皆、理解がある。
平和な家庭にある日突然珍入してくる怪しい生き物、
ハットリくんなどはまだ人間だからマシ。

オバQなんかお化けだし、怪物くんは怪物だし、
パラソルへんべえに至ってはなにコレ?!
どんな生き物なの?

ウルトラBは赤ちゃんだから普通、警察に届けるよな!

それでも差別することなく、自分たちと同じ目線で
受け入れてしまう。心広き大人たちである。

さて、作品に話を戻そう。
上映時間27分の間、ドラとのび太はほとんどの
シーンで涙している。子どもにとっても充分すぎる
感動作であろうが、トシをくった大人たちが今見ると
別の意味で感慨深いものがこみあげてくる。

はじめてその作品に出会った年代により、
どれが最高!最低!ということはない。
今の子どもたちにとっては、水田わさびさんの声こそが
ドラえもんの声なのだ。

でも昭和世代はやはり大山のぶ代さんのドラ声が、
脳裏から消え去る事はないだろう。

今聞いても、昭和ドラの声優さんたちは、
声だけでその場面が浮かんでくる。
失礼ながら令和の深夜アニメの声優さんたちの声は
聞き分けが不可能だ。

そして、本作に出ておられたほとんどの声優さんが
今はもう他界されたり、表舞台からは遠ざかったり
している。見ている側が年齢を重ねたからこそ、
感じられるノスタル爺がここにはある。

軽々しく「昔はよかった」などと口にはしたくない。
パソコンもスマホもなかった時代、不便な事この上なし。
しかし、もう取り戻せないあの頃が詰まっている。

やっぱりドラえもんは、声優一斉交代の時期に
終わらせておくべきだったよなぁ・・・。




■本編出演 大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、たてかべ和也、
 肝付兼太、千々松幸子、中庸助、よこざわけい子、青木和代、
 巴菁子、佐藤ゆうこさんほか。




評価 ★★★★☆
posted on 2024年03月05日 at 12:00 | 映画・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする