2025年01月11日

「ありがとう」第4シリーズ 第1話 1974

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〔1974年/日本/テレパック〕



歴史と伝統に育まれた学生の街、東京・神田。
その神田に安くて美味しいカレーライスの店、
「春」があった。

その店の女主人・春木治香は、開けっぴろげな性格で、
みんなから慕われていた。彼女の一人娘・吉は
明朗活発な上にキップが良く、学生達のアイドル的な
存在である。

ある朝、四月から近くの小学校の先生になったばかりの
「仲よしパン」の長男・金太郎が松葉杖をつきながら
「春」にやって来た。

金太郎は、春休みを利用してスキーに行ったが、
足をくじき、初出勤が遅れていたのだった。
ようやく退院し、シャバの空気を味わい、この店の
カレーライスの味に飢えてやってきた。




ファンの間では「幻」と呼ばれていた第4シリーズ、
「カレー屋編」の全貌がついに明らかに!

1974年(昭和49年)製作って、ほぼ半世紀前の番組
だよ!関西ではほぼ再放送もなかったのではなかろうか。

「ありがとう」といえば、世間一般では
水前寺清子&山岡久乃コンビのドラマだと相場は
決まっている。そのシリーズが全3作あり、
それぞれ婦人警官、看護婦、魚屋とシリーズ毎に
商売と舞台を変えて、放送を続けてきたが、
主演コンビは不変だった。

それが第4作を製作するにあたり、主演2人を交代
させてしまう。京塚昌子、佐良直美による、
「肝っ玉かあさん」コンビの登場である。
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(TBS、テレパック伝統の第1話、出演者テロップ)


推測ではあるが、製作側としては水前寺清子続投で
第4シリーズに突入したかったのだろうが、当時の
チーター(水前寺清子)人気はすさまじく、
ちょっともう、やってらんね…という感じで、
降板したのかも知れない。
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そのため、歴代「ありがとう」の出演者は、
ほぼ顔を揃えていながら、水前寺清子「だけ」が
いない世界、パラレルワールドのようになっている。
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(へーちゃんもしっかりいる)

50年という時の流れは残酷である。
ビデオ撮影のため、色褪せることもなく
テレビに映し出される人々はイキイキと
しているが、すでに半数は鬼籍に・・・。

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だって、岡本信人が詰襟だよ?!
この時点でもちょっと無理があるが。
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まだ道端の草なんか食ってない時代ですよ。

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時代を映すといえば、このみそラーメンの
おっさん。彼は劇中で「まぁまぁパンダ」という、
あまり有難くないミドルネームで呼ばれている。

これは当時の世相で上野動物園にカンカン、ランラン、
キンキン、ケロンパというパンダがやって来て、
一大ブームを起こしていた影響なのだろう。

どう見ても「どタヌキ」なのに。

物価も驚くばかり。
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「野菜カレー150えん」!!

今、ココイチでちょっとトッピングしたり、
調子に乗って、大盛りにしたりすると
確実に一杯、1,000円は軽く超えてしまうんだよ!
もう怖くて、表でカレーなんか食えないよ!

そうか・・・150円か・・・。

ありがたい事に全話数分の映像をご提供いただいたので、
これからしばらくご一緒に「幻」と呼ばれた
第4シリーズを紐解いていこうではないか。
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■番組出演 京塚昌子、佐良直美、山岡久乃、井上順、荻島真一、
研ナオコ、沢田雅美、大和田伸也、金田竜之介、佐野浅夫、
石坂浩二、音無美紀子、藤岡琢也、長山藍子、尾藤イサオ、
岡本信人、上村香子、奈良岡朋子、若山直嗣、伊藤洋一、
浜田雅子さんほか。




評価 ★★★☆☆
posted on 2025年01月11日 at 12:00 | Comment(2) | テレビドラマ昭和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月02日

「日本沈没」1974 第1話

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〔1974年/日本/東宝企画〕



■第1話 飛び散る海

地球物理学者である田所雄介博士は、
地震の観測データから日本列島に異変が起きて
いるのを直感し、単身、調査に乗り出した。

潜水艇操艇者の小野寺俊夫、助手の幸長信彦助教授と
共に小笠原沖の日本海溝に潜った田所は、海底を走る
奇妙な亀裂と乱泥流を発見する。異変を確信した田所は
データを集め続け、一つの結論に達する。

それは「日本列島は最悪の場合、2年以内に地殻変動で 
陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものだった。
最初は半信半疑だった政府も、紆余曲折の末、
日本国民と資産を海外へ脱出させる「D計画」を
立案・発動する。

しかし、事態の推移は当初の田所の予想すら超えた
速度で進行していた。各地で巨大地震が相次ぎ、
ほとんど動きがなかった休火山までが活動を始める。
精鋭スタッフたちが死に物狂いでD計画を遂行し、
国民を続々と海外避難させる。

一方、あえて国内に留まり日本列島と運命を
共にする道を選択する者たちもいた。

我々の祖国、この美しい桜の国、
日本は本当に沈んでしまうのか・・・。




オイルショック、ノストラダムスの大予言、公害汚染…。
世紀末を思わせる混沌とした日本列島に、とどめを
刺すかのように刊行されたSF小説の大家、
小松左京先生の原作にして一大ベストセラーとなった
「日本沈没」を、東宝テレビ部が劇場用作品と並行して
全26話のシリーズとして制作したTV版「日本沈没」

今のテレビ界では実現不可能な放送期間半年に渡り、
丁寧に作られた物語は、劇場版をはるかに上回る
感動と迫り来る恐怖を与えてくれます。
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そりゃあいきなり、日本が危ない、日本が沈む!
なんて言われても、一般人には理解されないわな。
キチガイ扱いの田所博士を映画と同じ、
小林桂樹さんが演じる。物言いが横暴であり、
コイツの勝手なふるまいにより、小野寺の婚約者は
地震の被害に遭い、あっけなく死んでしまう。
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そのため、恨みすら抱いている小野寺。

しかし物語の展開上、度々「偶然」にして、
アチコチで出くわす、田所と小野寺。
その度にふたりの距離は近づく・・・。

こちらも「偶然」出くわす由美かおる。
登場当初は金持ちのご令嬢でイヤなオンナ。
度々「偶然」顔を合わせるうち・・・。
その度にふたりの距離は近づく・・・。

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橋本功との距離は最初から近づきまくりである。

主題歌はなんと五木ひろしさん。
今だと月9ドラマを三山ひろしさんがケン玉片手に
担当するようなものか。
でも、あの時代、子どもでも演歌や歌謡曲を口ずさんで
いたような・・・歌にそれほど垣根がなかったように
思える。ブリンバンボン・・・なんて、気軽に歌えんもんな。




■番組出演 村野武範、由美かおる、小林桂樹、黒沢年男、
細川俊之、田中邦衛、沢田亜矢子、仲谷昇、鳳啓助、京唄子、
橋本功、丹阿弥谷津子、 伊豆肇、大和田獏、玉川伊佐夫、
五木ひろし、佐原健二、望月真理子、夏純子、相原巨典、
高野浩幸、マリ・クリスティーヌ、小栗一也、岡本信人、
小塙謙士、下條正巳、阿部百合子、佐々木孝丸、幸田宗丸、
松下達夫、曽我町子、小鹿番、大井小町、今井和子、新堀俊明、
村井国夫、津野哲郎、木田三千雄、新井つねひろ、山瀬洋、
岩城けい子、桂木美加、勝部義夫、草間璋夫、夏木順平、
榊田敬二、杜沢泰文、酒井郷博、池田義彦、山本圭、山村聰、
中村鴈治郎、田中邦衛、新堀俊明、池水通洋、市川治、作間功、
橋本功、佐々木孝丸、水沢アキ、小倉一郎、浜美枝、小川知子、
土屋嘉男、穂積ペペ、大村崑、大門正明、麻里とも恵、内田朝雄、
根上淳、柳生博、穂積隆信、新克利、柳沢真一、牧伸二、
竹井みどり、千石規子、石井富子、三重街恒二、林家木久蔵、
高津住男、武智豊子、下條アトム、藤木悠、加茂さくら、
吉田義夫、山添三千代、福田豊士、北沢典子、轟謙二、岸田森、
内藤武敏さんほか。




評価 ★★★☆☆
posted on 2025年01月02日 at 12:00 | Comment(0) | テレビドラマ昭和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月21日

「百円硬貨」1986

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〔1986年/日本/松竹〕



銀行員の伴子は会社員の竜二と3年越しの
不倫の関係にあった。竜二の妻・松子は現場を押さえ、
二人に別れるよう迫るが、伴子は頑なにそれを拒む。

意地になった嫌われ松子は娘を連れて実家に帰るが、
絶対に離婚は承知しないと告げる。

八方ふさがりの2人に松子がいやがらせをしてきた。
2,000万円を用意すれば離婚してもいいという。
これはチャンス。松子の気が変わらぬうちにと、
焦る二人。伴子は銀行の金を横領する決意をする・・・。




時の流れというのは怖ろしい・・・。
松本清張先生原作による超一流サスペンス、
幾度も映像化された切ない名作を「コントにしてしまった」

「百円硬貨」という「焼肉定食」に並ぶ、印象深い
四文字熟語によるタイトルが人々の記憶に焼き付く。

この物語のキーポイントとなるアイテムが100円玉である。

たった一枚の100円玉がなかったために、この男女の運命は
大きく変わってしまった。

1986年と2024年で我々の間に広く行きわたったのが、
スマホにインターネット環境。これがあるために、
男女が待ち合わせ場所ですれ違う・・・などという
現象はもう起こり得ない。

この作品に出て来る二人の通信手段は、電話。
それも公衆電話だ。そして二人はお互いの手帳に
連絡先やスケジュールを書き込む。

まず、現代において「公衆電話がほぼ・・・ない」
この時点で、もうこのドラマが成立しなくなる。

銀行の毎日の締め業務もオンラインではない。
現金を人間が手で数える。
だから、伴子が2,000万円を数えるフリをして、
足元のゴミ箱に投げ込み、あとで回収・・・なんて、
アナログな窃盗技が実行できた。

伴子が逃亡のために乗り込んだ電車。
電車内に弁当の売り子がやってくる。
売り子が現在ではもう存在しない。

思えば、伴子が腹を空かしていなければ、
ここで支払いに細かいのを使わなければ、
この二人に明るい未来があったのかも知れない。

しかし伴子は余裕をこいて、空腹であろう奥田瑛二に
おみやげのシュウマイまで買ってしまう・・・。
シュウマイさえ買わなければ・・・。

辿り着いた田舎の駅。
待ち合わせ場所の駅に奥田瑛二がいない。

電話・・・しなくちゃ・・・!

しかし、この公衆電話は100円玉しか使えない!
さぁ、困った!

近くに一軒だけある商店はまだ開いていない、
駅員も一万円札の両替なんかできね~と断わられる。

池上季実子発狂!

うまい具合に電車に乗ろうとする親子連れが、
窓口に100円玉1枚を置き忘れていった・・・!
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ゴクリ・・・!
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思わず、その100円玉を手にする池上季実子。
しかし、手にした途端・・・。
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「泥棒!!」と大騒ぎ!

2,000万円の現金をバッグに持ちながら、
100円玉1枚がなかったために、二人の計画は
ここで終焉を迎えたのだ・・・。


そもそも・・・そもそもだ。
芸能界でもサラブレットな池上季実子さんが、
奥田瑛二に罪を犯してまで魅かれるのが理解できない。
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正直「棒」である。
よく言えば自然体、素直に言えば大根役者。

役柄上でも金もないクセに発情だけは一人前。
スキあらば発情。でも、金はない。
退職金の前払いを・・・!と会社に頼んでも、
200万円を切るという役立たず。

しかし発情だけは忘れない。

思うに池上季実子ももう後には引けない状況に
追いこまれていたんだろうな。
とにかくあの正妻にだけは負けたくない・・・、
その思いが職場からの横領まで実行に移させた。

手癖の悪さというのは生まれつきなのだろう。
目の前にある人の100円玉にも平気で手を出し、
そして破滅。

100円玉を手に入れる方法はほかにいくらでも
あったハズなのだ。村人に1万円と100円を交換して!と
お願いすればよろこんで!だろう。

交番があるのだから、そこで電話を貸してもらってもいい。
なのに、どうしても100円玉を使って、公衆電話から
連絡をしたい!この「こだわり」

そもそも、奥田瑛二に対しても「信用」はしていなかった
のだろう。待ち合わせに30分遅れた程度でここまで騒ぐ
必要もない。それが信用に足る人間であるならば。

すべての元凶は奥田瑛二にあり。




■番組出演 池上季実子、奥田瑛二、沢井桂子、白都真理、
福田豊土、北村総一朗、弓恵子、宗方勝巳、唐沢民賢さんほか。




評価 ★★☆☆☆
posted on 2024年09月21日 at 12:00 | テレビドラマ昭和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする